教えてくれたのは…日本医師会認定産業医・福田千晶先生

日本リハビリテーション医学専門医、日本東洋医学会専門医などを兼任し、健康情報の著書やマスコミ出演多数の医学博士。ウーマンウェルネス研究会のメンバーとしても活躍中。

夏バテを知る3つのトピックス

「そもそも、夏バテってどういう状態?」「何が原因で夏バテするの?」。 そんな基本情報からあなたの夏バテタイプまで、確認してみましょう。

トピック1:夏バテって何? 室内外の温度差と冷えが主な原因だった!

夏バテは、紫外線や高温多湿な気候など、季節性の環境ストレスが基本的な要因です。 しかし、それより影響が大きいのは、外気と屋内の「温度差」、夏季休暇などによる生活習慣の乱れ、冷房・冷たい飲食物による「冷え」。それらにより疲れが取れない、胃腸の調子が悪い…などの不調感が起きるのです。

トピック2:夏バテが ストレスとなり、心の疲れを引き起こすことも

夏バテによる体の疲れは自律神経に負担をかけます。一方で日差しが強く日照時間が長い夏は、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が増えて元気になり、アクティブになりがち。この心身のアンバランスさにより、気づけば疲れが溜まって気分が落ち込んでいた…ということも。

トピック3:あなたの夏バテタイプチェック!

あなたは夏バテ状態? バテているとしたら、どんなタイプの夏バテに?それぞれ、チェックが3つついたら中程度、5つついたら要注意な夏バテの可能性が。チェックが一番多いものがあなたの夏バテタイプですが、ひとつでもついたタイプにも注意して!

タイプ別、夏バテの解消・予防法

夏バテ対策は、タイプ別に行うのが効果的。 トピック3でのチェックが一番多くついたタイプを中心に、少しでもチェックがついたタイプの対策は取り入れてみてください。心身の疲れがやわらぐはずです!

タイプA 【紫外線浴びすぎタイプ】のあなたは…ハイテンションが続き疲れに気づかず暴走

屋外にいる機会が多い人は、日光を浴びる時間が長くセロトニン分泌が増えて活動的になりがちな一方で、紫外線の影響も。紫外線を浴びすぎると免疫機能が低下すると言われ、疲れやすくなって心身の疲れが蓄積します。交感神経優位のオーバーヒートした状態が続き、元気に動いた結果、疲れが限界を超えると一気に気分が落ち込むことに。

コレで解決!

ぬるめの炭酸入浴で心身の疲れをリセット。アクティブに活動して疲れた心身には、ぬるめの炭酸入浴がおすすめ。まずは水圧と炭酸によるほぐし効果と血流アップで疲労が回復しやすく。リラックスしてテンションが落ち着き、自律神経が整う働きも期待できます。

予防するには…

元気に外出しても紫外線はきちんと防止。外出の際は、紫外線防止策をしっかり。日傘やつばの広い帽子を使ったり、冷感素材の長袖を羽織って。また目から入る紫外線も疲れの原因なので、サングラスをかけるのも忘れずに。

タイプB【温度調節苦手タイプ】のあなたは…5℃以上の温度差への対応が心身の負担に

室内と室外の温度差が大きい状態(5℃差以上)が続くと、体には大きなストレスがかかります。体温を調整する自律神経が酷使されて疲労し、体の表面は冷えているのに内部はほてって上半身は汗をかき、 下半身は冷える“寒熱”のアンバランスが起こることも。だるさや首・肩のコリ、頭痛などの不調感から不安につながりやすくなります。

コレで解決!

骨格のゆがみを整える矯正で流れをスムーズに。矯正はコリで緊張した筋肉をほぐすことで、体の偏りにアプローチ。骨格のゆがみによって体熱を運ぶ血流が悪化したり、自律神経の信号伝達を阻害した状態の緩和に期待が。姿勢を正し、全身のバランスを整えます。

予防するには…

暑い夏でも室温目安は28℃。温度差を作らないことが大切。気温35℃以上の日も多い近年、平均エアコン設定温度は外気と10℃近く差があるとの説が。設定温度は低くしすぎず、外気との差はなるべく小さく。また、汗をかける体づくりで体内にこもる熱を発散して。温度調節が苦手な人は、汗をかく習慣がなく汗腺の機能が衰えている場合も。朝晩の暑すぎない時間帯にウォーキングを20分程度行い、シャワーではなく入浴で汗をかきましょう。

タイプC【睡眠の質低下タイプ】のあなたは… 生活リズムの乱れや運動不足で睡眠不足に

長めの夏季休暇で生活時間が不規則になったり、寝苦しいことなどで睡眠の質が低下することで、疲労が蓄積。起きてもすっきりせず、気分が上がらない状態に。寝る直前までメールやスマホを見たり考えごとをし、オンオフが切り替わらないことも要因です。暑さによる運動不足で無駄に体力が余り、休息モードに入りづらい場合も。

コレで解決!

アロマトリートメントで心からリラックスする時間を。心の疲労が強めに出るタイプなので、天然植物由来の香り成分を凝縮した精油を使ったオイルトリートメントがおすすめ。好みの香りで心地よい圧をかけて全身のコリをほぐしてもらえるので、心身共にリフレッシュ。

予防するには…

SNSやメールチェックは就寝の1時間前には終了!スマホなどのブルーライトを浴びると活動を促す交感神経が活発になるので、寝る前1時間はスマホから離れて。自分が好きなことをしてゆっくり過ごしストレスをリセットしましょう。また、1日の始まりは必ず日光を。安眠ホルモン分泌をサポートします。生活リズムが乱れたり寝苦しさで自律神経に負担がかかる夏、起床後すぐ数分間朝日を見つめることで、夜に安眠ホルモンのメラトニンが分泌しやすく。

タイプD【内臓冷えタイプ】のあなたは…飲食物で内臓が冷え、心身のエネルギーが低下

汗をかく夏には水分が必須ですが、冷たい飲み物やアルコール、甘いものは内臓を冷やすので血流が悪くなり、疲れが抜けない状態に。それで食欲が減退して口当たりの良いそうめんなどさっぱりしたものばかり食べていると、幸せホルモンといわれる「セロトニン」の材料となる栄養素、トリプトファンが不足して落ち込みやすくなります。

これで解決!

冷たいものの摂りすぎを避け、はらまきでしっかり保温

まず内臓の冷えを解決するため、屋内での飲み物はなるべく常温か温かいものに。アイスクリームやかき氷の食べ過ぎもNG。オフィスなど冷房の効いた屋内に長時間いる場合は、はらまきやソックスで血流の悪化を防いで。

予防するには…

トリプトファンが摂れる温かいメニューを取り入れて。トリプトファン(大豆製品、肉、魚、卵、穀類など)を摂るのが大切なので、豚肉とキムチのスープに卵を落としたり、さつま揚げと豆腐、青菜のすまし汁など、温かいメニューでより元気に。

詳しい内容は、HOT PEPPER、HOT PEPPER Beauty2021年8月号【2021年7月30日(金)発行号】にてご覧ください♪

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企画/栗原ちひろ(本誌)  構成・取材・文/江尻亜由子  イラスト/安森由紀子