教えてくれたのは…腰痛トレーニング研究所 さくら治療院 川口陽海先生

鍼灸師。腰痛や坐骨神経痛を専門とし、体幹トレーニングやトリガーポイント療法、心理療法を組み合わせた独自の腰痛トレーニング法を考案している。

デスクワーク腰痛は在宅勤務で増加傾向に

近頃、腰痛は若者にとっても無関係ではいられない存在に。 「腰痛には骨・関節・神経が原因で起こる『特異的腰痛』と、様々な原因が考えられる『非特異的腰痛』というものがあり、デスクワーク要因の腰痛は概ね後者に該当します」。 実は、川口先生曰く、数ある要因の中で最近は“リモートワーク”も考えられるとのこと。 「理由として、高さの合わないデスクや椅子によって悪姿勢になっていること。あとは運動不足。通勤が減り、運動量が格段に落ちているんです」。

“前のめり姿勢”により腰周りの筋肉が疲労

デスクワーク時の悪い座り姿勢とは、“前のめりの座り方”だと川口先生は指摘。 「前のめりの上半身の体重を全て腰で支えるはめになり、腰やお尻の筋肉へ大きな負担がかかります。長時間その姿勢が続き、血流が悪化すると痛みが引き起こります」。

腰痛の仕組み1:前のめり姿勢による体への負担

前のめりの姿勢を取ることで骨や関節を支える筋肉が疲労すると、最終的に骨や関節に負担が。 「まずは姿勢が崩れないように体を支える力を身に付けることが必要」。

腰痛の仕組み2:“筋緊張”状態で血流が悪化

筋肉に無理な負担がかかることで“筋緊張”状態となり、その部分の血流が悪化。 そうすると酸素欠乏が起き、血液中から「発痛物質」が生成されることで痛みが発生します。

体幹を上手に使う歩き方でデスクワーク腰痛を軽減して

「“体を支える力=体幹”を鍛えると自然に正しい姿勢も身に付きます。体幹を鍛えるトレーニングとして手軽で効果的なのが、普段の生活の中で歩き方や運動量を見直すこと」。 デスクワーク腰痛を和らげる&予防するために、日常の“歩くシーン”を有効活用して、正しい姿勢を保つ習慣を身に付けてみては。

まずは基本の歩き方をマスター

ちょっとした散歩や買い物など、普段から歩き方を見直すチャンスはたくさん。 “体幹を鍛える歩き方”を身に付けて、悪姿勢とサヨナラしよう!

お腹に力を入れるのが大事

大事なのは腹筋をしっかり使うこと。 恥骨を鳩尾の方に引き上げるようにお腹にぐっと力を入れることで骨盤は後傾し、腰に負担がかかりにくい姿勢を確保。 腰や背中が反りすぎないように首・肩・背中の力は抜いて。

ポイント1:足の振り出しはみぞおちから!

恥骨を引き上げる感覚はそのままキープし、お腹上部の真ん中にある鳩みぞおち尾あたりから脚を振り出すイメージで歩いて。 歩幅は通常より+5cm前後くらいがベスト。

ポイント2: かかと着地&足指で蹴る

前足はきちんとかかとを付けて着地するのがポイント。 そうすることで後ろ脚の膝裏が伸び、足の指全体で地面をしっかり蹴ることが可能に。 爪先の向きは自然にしてOK。

ポイント3:目線は遠くに向けるイメージで

頭が前後左右に揺れないよう位置を固定するのも良い姿勢を保つコツ。 顎は引き、目線を少し上げて10mほど先を見るようにして歩くだけでもフォームがきれいに!

ポイント4:足裏も上手く使って!

体幹を鍛えるためには足の指をきちんと使うことが大切。 かかとから着地したあとは小指の付け根→親指の付け根の順で地面を蹴るように。 歩くときはいつでもこのステップを忘れずに!

体幹ウォーキングを実践しよう!

体幹を鍛える正しい歩き方をマスターしたら、日常的に取り入れてみよう! ウォーキングからおうちの中まで、シーンに合わせた歩き方をご紹介。

シーン1:長時間のウォーキングも体幹トレにおすすめ!

ウォーキングは振動が大きくなる分、腰への負担が増えるため、お腹に力を入れて腹筋で振動を受け止めるように。 歩行時間は約1時間半、そのうちの20分間だけ早歩きをするのが理想的。

シーン2:階段は、爪先だけで一段抜かし

上がるときは“1段抜かし”を意識すると効果的。 かかとは段差に乗せずに、爪先だけで上るようにするとお尻の筋肉をしっかり使うことができるので、程よい運動にもなって◎

シーン3:坂道は、上り&下りで歩幅を変える

上り坂では、やや前傾姿勢&少し大股で歩くのがポイント。 下り坂では、歩幅を広く取らず小股気味で、かかとでしっかりと地面を踏むことを意識すると腰への負担が軽く。

シーン4:家の中では、爪先歩きで指の力を強化

室内では“爪先歩き”を心がけてみて。 かかとは高く上げすぎるのはNGで、わずか5mmほど浮かせるくらいがベスト。 歩く上で大事な足の指の力を鍛えられるのでおすすめ!

マインドフルネスでリフレッシュ効果UP!

マインドフルネスとは?

過去の失敗や未来への不安に囚われ、ストレスを増やしている現代人が多数。 「今」という瞬間に意識を集中させ、自分の体と向き合うことで、ネガティブな思考から抜け出す効果が期待できます。

ウォーキングに取り入れるときのポイント

「4歩の呼吸」がおすすめ。 「吸う・吸う・吐く・吐く」の4ステップを頭の中で唱えながら歩くことで、歩行と呼吸に意識が集中し、ウォーキング効果がさらにUP!

サロンで姿勢を根本から正すのも◎

デスクワーク腰痛のケア&予防は、“姿勢改善”のプロにお任せするのも手。 筋肉のコリや歪みを瞬時に見抜く神ワザで、姿勢をきれいに整え、体の負担を軽くしよう!

硬くなった腰周りをほぐして骨盤矯正
背中や腰の筋肉の過緊張を和らげ、背骨と骨盤を矯正。姿勢がきれいに整うことで腰周りにアプローチ。
アンバランスな上半身を調整
肩や腰の痛みにつながる“肩甲骨と鎖骨の左右差”を矯正。歪みを整えれば上半身のラインも美しく!
骨盤が整うことでお尻も正しい位置に
骨盤を矯正することでお尻の位置も正しく。股関節の可動域も広がるため、正しい歩き姿勢が手に入る!
※各施術やサービスは、サロンやメニュー、施術者によって異なります。詳細は利用する店舗へお問い合わせください。※効果は体調改善で、体質改善や症状の緩和とは異なります。

詳しい内容は、HOT PEPPER、HOT PEPPER Beauty2021年9月号【2021年8月27日(金)発行号】にてご覧ください♪

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  • 企画内容やタイトルは都合により変更になる可能性がございますのでご了承ください。
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企画/小濱萌(本誌) 構成・取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル) 監修/伊藤まゆ(M’s クリニック 南麻布) 取材・画像協力/至極 麻布十番(shigoku)