35歳から始める、本気の「肌体力」ケア

「肌体力」とは肌が持つ美しくなるための土台力！

最近注目の「肌体力」。医学用語ではありませんが、表皮が生まれ変わる「ターンオーバー」、外的要因から健康を守る「バリア機能」、肌を育む「基底層」、育んだものを保護する「線維芽細胞」、肌に栄養を届ける「毛細血管」がそれぞれリンクして健やかな肌状態を保っている状態のことを言います。肌悩みの多くはこれらの低下により、肌本来のパフォーマンスが落ちている状態なのです。（しのぶ皮膚科院長・蘇原しのぶ先生。以下同）

一刻も早くはじめたい、35歳からの肌体力づくり

重要なのは一朝一夕にシワができるのではなく、毎日の生活や間違ったスキンケアの積み重ねが1つの原因であること。ストレスや生活変化にさらされるアラサーの肌だからこそ衰えた「体力」を補うために、まずは生活習慣から見直し、足りないケアはプロの手を借りましょう。（蘇原しのぶ先生）

肌体力その①【生む力】ターンオーバーでクリアな肌

表皮はターンオーバーの機能により、傷ついたり日焼けしても、細胞が入れ替わって健康な肌に生まれ変わります。機能が低下すると、余分な角質がたまり、くすみやシワの原因に。

【肌体力ケアポイント】角質ケアで余分な表皮をOFF

【これも注意】過度な食事制限

食事制限などで栄養状態が悪いダイエットは要注意！　ホルモンバランスが崩れ生理の調子が悪くなり、更なるターンオーバーの乱れを引き起こすことに。

肌体力その②【守る力】肌は天然のバリアで守られる！

皮膚は水や異物が肌の中に入り込むのを防ぎ、同時に肌内部の角層に潤いを保つ機能を持っています。バリアが壊れると外的刺激にゆらぐ敏感肌になり、かゆみや皮剥け状態に。

肌体力ケアには…イオンの力で潤いを引き寄せ

【これも注意】肌への強い刺激

顔の皮膚は体の7分の1の厚みしかありません。ゴシゴシ拭いたり刺激になることは絶対NG。壊れ物に触るように優しく扱いましょう。

肌体力その③【育む力】基底層は表皮細胞の工場

基底層は細胞分裂を繰り返し、新しい表皮細胞をつくり出します。表皮と真皮の境目にあり、ターンオーバーを始める重要な機能です。衰えると細胞が代謝できず古い細胞が残留しシミの原因にも。

【肌体力ケアポイント】フォト美顔でシミに働きかける

【これも注意】うっかり日焼け

基底層の衰えは代謝不良を起こし、蓄積したメラニンがシミの原因に。特に無防備な日焼けはシミを助長します。冬でも紫外線散乱剤配合の日焼け止めを常用して

肌体力その④【保つ力】ハリを維持する線維芽細胞

コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンといった真皮を構成している成分を生み出すのが線維芽細胞です。線維芽細胞が減り衰えると、シワやたるみといったエイジングサインが表れます。

【肌体力ケアポイント】EMSでリフトアップ

【これも注意】空気の乾燥

エアコンの効いた室内では、加湿器を使ったり、水分を摂るなど体の内外から乾燥対策を。また糖化は余分な糖分がタンパク質と結びつき、たるみの原因に。甘い物にはご用心！

肌体力その⑤【運ぶ力】肌に栄養を届けるパイプライン

肌に栄養と酵素を行き渡らせているのが毛細血管。この流れが滞ると、肌が栄養不足になり老廃物が流れず、くすみや乾燥の原因になります。バラ色の肌を目指すなら、血流の良い体作りが大切。

【肌体力ケアポイント】巡る力を整えるリンパ

【これも注意】シャワーだけ入浴

血流の良さはもちろん、流れる血液の質にもこだわりたいもの。きちんと栄養を蓄えた血液をしっかり流すために、入浴はシャワーだけで済ませず、ぜひ湯船に浸かって

教えてくれたのは…

蘇原しのぶ先生

しのぶ皮膚科院長。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医。執筆、テレビ、ラジオ、などのメディア活動も精力的にこなしている。