今回教えてくれたのは……美容ライター・髙野知実さん

監修/髙野知実(美容ライター・広告ディレクター) ネイルスクールでネイルの基礎を学び、JNA日本ネイリスト検定3級を取得。 美容やネイルに関する知識とセンスを活かし、 女性向けの広告制作や、記事の執筆など、幅広い分野で活躍中。

セルフネイルの種類

セルフネイルを始めようと調べてみると、種類が多くて迷ってしまいますよね。 まずはセルフで取り入れられることが多い、ネイルの種類とその特徴を解説していきます!

その1:マニキュア(ポリッシュ)

マニキュアの魅力は、なんといっても手軽に始められるところ。
必要な道具も少なく、オフも簡単なので、ネイル初心者さんにもおすすめです。

一方で、乾くまでに時間がかかることや長持ちしにくいというデメリットも。
ただ気軽に挑戦できるので「まずは試してみたい」というネイル初心者さんにぴったりです。

その2:ジェルネイル

ぷっくりとした立体感が魅力のジェルネイル。
専用のジェルをライトで硬化して仕上げるので、乾かす時間が必要ないのが特徴です。
持ちが良く約1ヶ月ほどデザインを保つことができます。

一方で、セルフでオフするのが少し手間だったり、爪に負担がかかったりするデメリットも。
そのため、こまめに爪のケアができる方に向いています。

その3:ネイルシール

ネイルシールは、マニキュアやジェルネイルに比べて短時間で簡単に仕上げられるところが魅力。
爪切りなどで調整する必要はありますが、乾かす時間がいらないので、せっかちさんにもおすすめです。

ただネイルシールは水に弱く、剥がれやすいのがデメリット。
気づいたら取れていることもあるので注意しましょう。

その4:ネイルチップ

ネイルチップは、手軽に本格的なネイルが楽しめるという特徴があります。
素材がしっかりとしているので、ジェルネイルのような質感や長さを再現することができます。
シールでつけるので、休日のみネイルを楽しみたい方や爪を痛めたくない方にぴったりです。

ただ、ネイルチップは衝撃に弱く、装着が甘いとすぐに取れてしまうというデメリットも。
また、爪のサイズに合っていないと不自然に見えるため、自分の爪に合ったサイズを選ぶことが大切です。

下準備からデザインまで。セルフネイルの流れをイラスト解説

ネイルの種類が決まったら、さっそくセルフネイルに挑戦してみましょう! ここでは、ネイル前の下準備からセルフマニキュア・セルフジェルネイルの主な流れについて、イラストとともにご紹介します。 ネイル初心者さんが取り組みやすいように、わかりやすく説明するので参考にしてみてくださいね。

ネイルをキレイに塗るための下準備

セルフネイルをキレイに仕上げるために欠かせないのが、下準備。
特に土台となる爪の表面の磨き込みと甘皮の処理は必須です!

それぞれの準備に必要なのは左から
・ネイルニッパー:爪の長さを整えたり、甘皮を切ったりするためのもの(なければ爪切りでも可)

・綿棒:爪の甘皮を押し出すためのもの

・エメリーボード、シャイナー:爪の長さを整えたり、表面を磨いたりするもの(別々になっているものや一体型のものもあります)


おうちにあるもので構いませんし、なければ100円ショップでも揃います。
用意した上で、次に紹介する流れで下準備していきましょう。
手順①柔らかくした爪の付け根の甘皮を綿棒などで押しだし、ニッパーや爪切りなどでカットする
手順②爪に対して斜めにエメリーボードをあて、一定方向にとぐ
手順③シャイナーを爪の表面に当て、一定方向に磨き、下準備完成

セルフネイルの流れ:マニキュア編

下準備が完了したら、いよいよセルフネイルにチャレンジ。
まずは簡単に取り入れられるマニキュアから流れをご紹介してきます。

マニキュアに必要なのは左上から次の5つです。
・ベースコート:ネイルの発色を良くしたり、長持ちさせてくれる下地のようなもの

・ポリッシュ:ネイルのカラーの根幹部分

・トップコート:仕上げに塗り、光沢を与えつつ傷や衝撃から守ってくれるもの

・綿棒:リムーバーと一緒にはみ出たポリッシュの調整に使うもの

・リムーバー:綿棒と一緒にはみ出たポリッシュの調整に使うもの

手順①爪の根本の中心にベースコートのハケをおき、爪先に向かって一度塗りする。

同じように両サイドも一度塗りして乾かす


このとき、ハケが扇状になるようにおくと、キレイに塗ることができます。
手順②爪の先端をなぞるように、ポリッシュを塗る

意外と見落としがちなのがこの先端部分。
爪先までキレイなデザインにするためには欠かせないので、忘れず塗りましょう。
手順③爪の根本の中心にポリッシュのハケをおき、爪先に向かって塗る

爪のサイドの肉を指で押しながら、両サイドにもポリッシュを塗り、全て塗れたら乾かす


塗り足りない部分がある場合は二度塗りして均等に色をのせましょう。
手順④ベースコート同様、トップコートを爪に一度塗りして乾かし、完成

セルフネイルの流れ:ジェルネイル編

今やネイルの定番とも言えるジェルネイル。
マニキュアとは異なるアイテムが必要になりますが、基本的な流れは似ています。
もちがよく立体的なネイルにしたい方は、次のアイテムを用意して挑戦してみましょう。

・LEDライト:ネイルジェルを硬化させるためのもの

・ジェルブラシ:ネイルジェルを爪に乗せたり、デザインを作ったりするためのもの

・ネイルジェル:ポリッシュのようにベースに使うジェル、カラーに使うジェル、トップに使うジェルがある

・コットン:固まっていない表面のジェルを拭うもの

・エタノール:手指の消毒や油分の除去、固まっていないジェルを拭うときに使うもの

手順①まず、エタノールで手指を消毒し、余分な油分を取り除いておく
筆にベースジェルをとり、爪の根本の中心から爪先に向かって一度塗りする
同じように両サイドも一度塗りし、LEDライトで硬化させる
手順②ベースジェルと同じ要領でカラージェルを塗り、LEDで硬化させる

色やデザインを重ねるごとに繰り返し、最後にトップジェルを塗って硬化させる

手順③固まっていない表面のジェルを、エタノールをつけたコットンで拭き取り、完成

セルフネイルにおすすめのデザインその1:ワンカラー

セルフネイル初心者さんでもキレイに仕上げやすい、ワンカラーネイル。 シンプルな印象がありますが、ストーンなどと組み合わせれば華やかさも出すことができます。 特に、上品な印象になりたい方やネイルのデザインに制限がある方におすすめです。

肌になじむキュートなピンクネイル
柔らかなピンクカラーがキュートなワンカラーネイル。 肌になじむピンク色は、指先をより美しく見せてくれます。 落ち着いた色味なので、年齢問わず楽しめますよ。
艶やかブラウンで大人っぽく
まろやかなブラウンカラーで仕上げたワンカラージェルネイル。 艶やかな質感で、シンプルながらも、上品な雰囲気を演出しています。 秋にもぴったりな大人っぽいデザインです。
パーツをドット風にちりばめて、おしゃれに仕上げて
グレー系のワンカラーにネイルパーツをあしらったワンカラーネイル。  ネイルパーツをドット風にデザインすることで、抜け感を出しています。 品のある印象に仕上げたい人にぴったりです。

セルフネイルにおすすめのデザインその2:塗りかけネイル

こなれ感があって今っぽい印象を演出できる、塗りかけネイル。 「爪全体に綺麗に塗るのが苦手」というネイル初心者さんにも挑戦しやすいおしゃれネイルです。 デザインのバリエーションが豊富なので、周りと被りたくない人にもおすすめです。

くすみブルーの塗りかけネイルで手元に抜け感を
ベースは、落ち着いた色味のくすみブルー。 もやもやとしたデザインの塗りかけネイルが、手元に抜け感を演出してくれます。 セルフなら塗りかけ感も自分好みになりますよ。
個性を出せる、ニュアンス×塗りかけネイル
少し垂れている風の塗りかけネイル。 マグネットネイルも組み合わせたデザインで、個性を出すことができます。 パーツもあしらえば、立体感が出ておしゃれ。
くすみピンクが大人可愛いニュアンスネイル
クリアベースにくすみピンクとホワイトカラーをオン。 ピンクカラーですが、淡い色合いに仕上げているので、可愛すぎません。 さらに、シルバーのネイルホイルを添えると、雰囲気が引き締まり、大人っぽさをプラスできます。

セルフネイルにおすすめのデザインその3:フレンチ

キレイめな印象に仕上がるフレンチネイル。 フレンチ部分のデザインも豊富なので、自分がやりたいデザインがきっと見つかるはず。 また、セルフネイルでも上手く仕上げやすいのも嬉しいポイントです。

大人シンプルなフレンチネイル
ブラックのフレンチ部分が、シンプルで大人っぽいネイル。 ベースカラーをベージュ系にすれば、自然に手元に馴染みます。 オフィスネイルにもぴったりです。
周りと差がつく斜めフレンチ
ベージュとブラウンを斜めになるように塗っています。 カラーとの境目にゴールドのラインを引くと、アクセントかつキレイなラインに見せられます。 違った雰囲気のフレンチネイルを楽しみたい方におすすめのデザインです。
カラフルで夏気分
ビビットカラーをフレンチ部分に取り入れた、細めフレンチネイル。 一見派手な色味でも、部分的になら取り入れやすくおしゃれのワンポイントになります。 これからの夏の季節にもおすすめのデザインです。

セルフネイルにおすすめのデザインその4:グラデーションネイル

様々な印象を演出できるグラデーションネイル。 ワンカラーだとナチュラルに、ラメだと華やかな雰囲気になります。 少ない材料でできるので、セルフネイルでも取り入れやすいですよ。

甘かわいいグラデーションネイル
ブラウンカラーのグラデーションネイル。 爪の根本から逆グラデーションのようになっていて、カフェラテのような甘いかわいいイメージに。 ビジューがアクセントになっています。
上品なラメグラデーション
ゴールドのラメグラデーションをほどこしたデザイン。 ベージュカラーをベースにしているので、ラメも派手な印象になりません。
知的なネイビーのグラデーションネイル
ネイビーカラーが印象的なグラデーションネイル。 キレイにぼやけたグラデーションが抜け感を演出してくれます。 知的な印象に見せたい方にも◎

セルフネイルにおすすめのデザインその5:ミラーネイル

光沢感がゴージャスなミラーネイル。 全体にあしらっても、アクセントにしてもばっちり決まります。 ミラーパウダーの扱い方を学ぶ必要はありますが、周りと違ったデザインにしたい方にはおすすめです。

アシンメトリー×ミラーネイルで個性派に
王道カラー、ホワイトのミラーネイル。 左右で真反対のカラーにしているアシンメトリーネイルで、ブラックでも重くなりすぎず、かっこかわいいイメージにできます。 アシンメトリーネイルは、違うデザインを同時に楽しめるのもメリットです。
ピンクのミラーネイルでガーリーに
爪先にミラーネイルをほどこしたこちらのデザイン。 ピンクのミラーネイルがガーリーな印象を演出しています。 ベースも同系色のカラーにすると、統一感が出ますよ。
クールに決まる、ネイビー×ゴールドのミラーネイル
ネイビーカラーをベースに、ゴールドのミラーネイルをアクセントにしたデザイン。 寒色系のカラーなので、クールに決まります。 大人っぽい印象に見せたい人にぴったりです。

セルフネイルにおすすめデザインその6:オーロラネイル

オーロラネイルとは、カラーやフィルムを重ねることでオーロラのような輝きを放つネイルのこと。 光の当たり方によって、色や輝き方が変わるのが特徴です。 オーロラパウダーを使ったワンカラーなら初心者さんも挑戦しやすいので、透明感あふれるキラキラネイルが好きな方は挑戦してみてくださいね!

みずみずしいホワイトオーロラネイル
ホワイト系カラーをベースにしたオーロラネイルです。 光に当たるとうるうるとした光沢が現れ、上品な雰囲気に。 アートやパーツをつけなくても存在感がある、夏にぴったりのデザインです。
爽やかなアクアオーロラブルー
アクアブルーにオーロラパウダーを合わせたデザイン。 ブルーの中でも淡い色合いなので、室内では落ち着いた印象に。 光が当たると、まるで夏の海をイメージさせるような爽やかな色が現れます◎
オーロラニュアンスネイル
さりげないニュアンスがおしゃれなオーロラネイルです。 爪の表面にあえて凹凸を作り、光をランダムに反射させることで、複雑なデザインに。 角度によって表情が変わる楽しいデザインに仕上がっています。

セルフネイルの持ちを良くするポイントは?

せっかく自分で仕上げたネイル。 できることなら、きれいな状態で長く楽しみたいですよね。 ここからは、セルフネイルを長持ちさせるポイントを5つご紹介。 ちょっとした工夫で、仕上がりや持ちがぐんとアップするので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ポイント1:爪の長さを整える

ポイント1つ目は、爪の長さを整えること。
ネイルが取れづらい爪の長さは、爪先の白い部分(フリーエッジ)が1mm以上が理想です。
爪が短い場合でも、指の腹側から見た際に爪が1~2mm程度見えているとよいでしょう。

ネイルが特に剥がれやすい部分がエッジ(爪先の厚みがある部分)です。
エッジは、爪の中でも日常生活の摩擦や衝撃が集中する部分。
そのため、エッジ部分にネイルが塗れていないと持ちが悪くなるのです。

爪に長さがあると、爪の形や長さを整えられ、エッジにしっかりネイルを塗ることができます◎
ネイルと自爪との密着度が高まるので、ネイルの耐久性もアップしますよ。

現時点で爪が短いという方は、長さ出しをするのも手。
長さ出しには、樹脂やジェル、ネイルチップを使う方法があります。
なかでもネイルチップは、すでに形ができているため、手軽に長さ出しができておすすめです。

ポイント2:爪の油分・水分をしっかり除去

下準備の後は、爪の油分と水分をしっかり除去することが大切。
爪の表面に油分や水分が残っていると、ネイルと自爪の密着が悪くなってしまいます。
ほかにも、サンディングで出たダストも密着を妨げる原因になるので注意しましょう。

油分は爪の周りや甘皮に残りやすい傾向があります。
除光液やエタノールを、綿棒や毛羽立ちにくいコットンなどに含ませて丁寧に除去しましょう。
爪の表面やサイド、先端まで念入りに拭くのがポイントです。

どちらもない場合は、ハンドソープで手を洗うだけでもOK。
ただし、オイルインタイプのものは避けるようにしましょう。

爪の油分と水分を拭き取った後は、爪に触れないように気を付けてくださいね。

ポイント3:薄く均一に、爪先までコーティング

マニキュアやジェルを塗るときは、爪先まで薄く均一に塗りましょう。
ネイルが剥がれやすくなる原因として、マニキュアやジェルが均一に塗れていない・爪先までコーティングできていないことが挙げられます。

マニキュアやジェルの厚みに差があると、乾ききっていない部分が出てきます。
乾ききっていない部分は柔らかく、水分や油分の影響を受けて剥がれやすくなってしまうことも……。/br>
均一に塗るポイントは、ハケをしごいて適量の液をとることとハケが扇状になるように塗ること。
1度目は量を少なめに取り、ムラがある場合は1度目よりも少し量を増やして2度塗りをするのがおすすめです。

ポイント4:トップコートを数日に1回塗り直し

マニキュアを長持ちさせる方法として、トップコートを数日に1回塗り直すことも効果的◎
マニキュアの持続期間は一般的に、2~3日と言われています。

日常生活の衝撃や摩擦を受け、ネイルは少しづつダメージを受けています。
トップコートを塗りなおすことでダメージが抑えられるため、ネイルが長持ちしやすくなりますよ。

トップコートを塗りなおす目安は2日~3日です。
ただし、頻繁に塗りなおすのはおすすめできません。
ネイルをしている間も自爪はダメージを受けているため、定期的にオフして自爪をしっかり休ませましょう。

ポイント5:水仕事をするときは手袋を使う

ネイルは水に触れる時間が長いほど剥がれやすくなります。
水分を含んだ爪は一時的に柔らかくなり、わずかに膨張します。
その後、水分が蒸発すると爪が縮んでしまい、ネイルとの接着面にズレが生じてしまうのです。

ネイルの持ちをよくするためにも、仕事や家事で水に触れる機会が多い方は、できるだけゴム手袋を使うと◎。
また、水仕事以外にも長風呂も控えるようにしましょう。

他にも、こまめにキューティクルオイルを塗って保湿をするのも効果的です。
急激な水分の蒸発を防ぐことで、ネイルの持ちに繋がります。

セルフネイルで、気軽におしゃれを楽しもう♡

自宅にいながら、すきま時間で好みのデザインにできるセルフネイル。 練習は必要ですが、上達すれば思うままにネイルを楽しむことができますよ。 この記事を参考に、セルフネイルにチャレンジしてみてくださいね。