教えてくれたのは…理学療法士・医学博士 吉田一也先生

肩不調に特化した施術サロン「APULA」代表。著書に『肩こり、首痛、頭痛は鎖骨を5秒ほぐすだけでなくなる!』(主婦の友社)など。

現代人を取り巻く肩こりの原因はさまざま

肩こりとは、「首から肩にかけて筋肉のこりやハリがある状態」と吉田先生。「筋肉が硬くなることで肩がこわばったりだるくなったり、痛みが出たりします。基本的には本人が自覚症状を感じれば肩こりです」 現代人の多くが肩こりに悩まされるのは、さまざまな原因があるそう。「筋肉の使いすぎによる疲労、運動不足による筋肉の衰え、体液循環の乱れ、眼精疲労、内臓の疲れやストレス、ホルモンバランスの乱れも肩こりの原因。パソコンやスマホの使用頻度が増え、手や目を酷使することも影響していると考えられます」

肩こりの原因を見極めてセルフ&サロンで対策を

では、肩こりを解消するには…?「もんでも楽にならない、もしくは何度もくり返す肩こりは、こりの元に対処する必要があります。自分の肩こりの原因タイプを把握して、解消法を見つけましょう。複数のタイプに当てはまることもあります」 簡単なセルフケアと、プロのサポートでしっかりケアしたい時のおすすめサロンメニューにトライ!

【筋肉疲労タイプ】

筋肉を酷使して疲れがたまり、こってしまうタイプ。力仕事やハードな運動だけでなく、同じ姿勢も疲労のモト。

\原因と解決ポイント/

ずっと同じ姿勢で同じ筋肉ばかり頑張らせていると、筋肉の使いすぎでこり固まってしまいます。日常では姿勢に注意するとともに、酷使した筋肉をきちんとほぐして、ゆるませる必要があります。

対策①正しい姿勢で座る&立つ

猫背で頭が前へ出ると、首の後ろの筋肉が頑張りすぎて首から肩のこりにつながる。座っても立っても、胴体の真上に頭が乗っている状態が大切。

対策②自重でこりをほぐす

テニスボールやマッサージボールをこっている部分にあてて、ゴロゴロと転がす。自分の体重を利用することで楽してほぐせる!

対策③半身浴で筋肉をゆるめる

40℃程度の熱すぎずぬるすぎないお湯で半身浴をすると、使いすぎた筋肉をゆるめることができる。10~15分が目安。

対策④もみほぐしでこり固まった筋肉をほぐして柔らかく

肩だけでなく、肩こりに関わる筋肉がつながっている肩甲骨もしっかりもみほぐし、硬く縮んだ筋肉や関節を柔軟に。

対策⑤岩盤浴で蓄積した筋肉疲労をしっかり温めて回復

岩盤浴でじわじわ体を温めると、疲れた筋肉がほぐれて血流もスムーズに。リラックス効果で肩の力が抜ける感覚も。

【血行不良タイプ】

体の冷えや睡眠不足、ストレス、女性特有の体のリズムなどから血行不良に陥り、肩こりにつながるタイプ。

\原因と解決ポイント/

筋肉に沿って流れる血液の循環が滞ると、筋肉の老廃物が蓄積して圧迫され、ハリ感や痛みにつながります。肩周りだけでなく、全身の血流をスムーズにすることが肩こり解消の糸口。

対策①鎖骨→肩→腕をさする

お風呂で体を洗う時やボディクリームを塗るついでに、鎖骨→肩→腕の順に優しくさすると血行促進やむくみケアに効果的。

やり方
手順①:鎖骨は外から 内へ向かって 手順②:肩は下から円を描くように 手順③:腕は手首から肩へ向かって

対策②「うつぶせゆらゆら」でリラックス

自律神経の通り道である背中をゆるめると、交感神経の高まりを抑える働きが。寝る前にストレスを解放。

やり方
胸の下にクッションを入れてうつぶせに。背骨や骨盤を横にゆする

対策③温冷交代浴でポカポカに

温冷交代浴で全身の血流が促進。冷えやむくみも改善。

やり方
手順①:お湯に3分足をつける 手順②:冷たいシャワーを20秒かける。これを3~5回くり返す

対策④ゆったりリズムで全身の血流を促すタイ古式マッサージ

指圧とストレッチで筋肉の緊張を取りながら、ゆっくり全身を動かして血流を促進。施術後は体が温まり、すっきり感も。

対策⑤アロマトリートメントで血行不良、疲れ、ストレスを和らげる

手技で全身の血液やリンパを巡らせると同時に、アロマの香りで心身を癒やす。ストレス対策や睡眠の質アップにも期待

【運動不足タイプ】

リモートワークの増加などで、運動不足の自覚がある人は気をつけて。それが肩こりの原因になっているかも!

\原因と解決ポイント/

運動不足で筋力が衰えると体幹が弱くなって悪い姿勢になりやすく、肩こりにつながります。まずは筋肉を使いやすい状態に整えること、よく歩いて運動量を増やすことを心がけましょう。

対策①朝に股関節をほぐす

股関節や太ももをほぐしておくと、その後の通勤や日中の活動で筋肉がきちんと働きやすくなる。さらに、歩く時は大股を意識すると◎。

やり方
手順①:重心を前に移し股関節~太もも前を伸ばす。逆足も同じように。各5~10回 手順②:イスに片足をのせて重心を後ろに。太もも裏をしっかり伸ばす

対策②ドローインで体幹を鍛える

体幹を鍛えて正しい姿勢を保てるようになると、肩への負担が軽減。運動が苦手でも、呼吸を使う腹筋運動なら手軽にできる。 <やり方> 1.仰向けでひざを立て、息をたっぷり吸って2 秒でお腹をふくらませる 2.5 秒で息を吐き、床を腰で押すようにお腹をへこませる。5~10回

やり方
手順①:仰向けでひざを立て、息をたっぷり吸って2秒でお腹をふくらませる 手順②:5秒で息を吐き、床を腰で押すようにお腹をへこませる。5~10回

対策③ストレッチで筋肉の柔軟性を高め可動域を広げる

対策④姿勢を改善すると筋肉がつきやすく!姿勢調整

【眼精疲労タイプ】

現代人に多く見られる、目の疲労から肩こりを招くタイプ。スマホやパソコンが手放せない…という人は要注意。

\原因と解決ポイント/

目元の筋肉がこり固まり、目の疲労や不快感を感じている時は自律神経のバランスが崩れやすくなり、肩こりを引き起こします。とにかく、日々酷使しがちな目元の筋肉を休めることが大事。

対策①仕事の合間に目のツボを刺激

血流を促し、目の疲れや肩こりにも関係の深い「合谷(ごうこく)」というツボをプッシュ。手元なので仕事の合間にサッと実践できる! <やり方> 合谷(ごうこく)は、親指と人差し指の間のくぼみ部分。 5秒押してゆっくり離すのを5回。

対策②ホットタオルで疲れをリセット

入浴時や就寝前に、ホットタオルで目元の筋肉をケア。水で濡らして絞ったタオルを電子レンジで30~60秒温めると簡単。

対策③1時間に1回、目を休める

スマホやパソコンを使用中は、1時間に1回は画面から目を離そう。外を眺めるなど、ピントを遠くに合わせるのがポイント。

対策④ドライヘッドスパで目や頭の疲れを取り肩までラクに

頭には眼精疲労の緩和につながるツボがあると言われる。また頭部をほぐすことで、頭とつながる首や肩のこりもオフ。

対策⑤ 足の裏には目や肩周りの反射区が!リフレクソロジー

反射区とは、体の各器官や内臓につながる末梢神経が集まる場所。目や肩周りの反射区をほぐし、間接的にアプローチ。

詳しい内容は、HOT PEPPER、HOT PEPPER Beauty2021年11月号【2021年10月29日(金)発行号】にてご覧ください♪

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企画/小濱萌(本誌) 構成・取 材・文/井上菜々子 監修/伊藤まゆ(M’sクリニック南麻布) 撮影/島袋智子 イラスト/ 村澤綾香 取材・画像協力/セカ ンドコレクト(姿勢調整、もみほぐ し、ストレッチ)、ヌアボーラン・ブ ルー 青山店(タイ古式マッサー ジ)、LOTUS日本橋(アロマトリー トメント、ドライヘッドスパ、リフレク ソロジー)、mineralism(岩盤浴)