学生時代、ちょっとヤンチャな友達にお世話になっていました

『東京リベンジャーズ』は不良×タイムリープというおもしろいストーリー設定ですが、北村さんを見ると、不良とはまったく縁がない生活を送っていたような気がするのですが。

学生のとき、周りにヤンチャな友達もいましたよ。 漫画の『クローズ』が流行っていた世代でもあるので、不良は男の憧れ!みたいなところがあって。 僕自身は違いましたけれど、ヤンチャな友達にはたくさんお世話になっていました。

お世話になっていたとは!?

僕、中学生のときクラスになじめずにいた時期があったんですよ。それを助けてくれたのがそのヤンチャな友達。 持論ですけれど、基本的にちょっとヤンチャな人っていいやつしかならないと思うんです。 仲間思いの優しいタイプが多くて。 だから、僕がクラスになじめずにいる状況を見て、仲間意識で助けてくれて、そこから絆が生まれました。 もしかすると学校では困り者的な扱いかもしれませんが、本人たちはすごくいいやつという印象が強い。

自分がそんな経験をしているから、『東京リベンジャーズ』の不良たちの仲間への思いが理解できるんです。仲間のためにケンカしたり、殴られたり。 普通、他人のために自分が殴られるなんて嫌じゃないですか。

確かに嫌かも(笑)。劇中は、仲間のためにケンカばかりしていましたよね。

僕も相当、殴られましたから。 特に敵対している伸くん(鈴木伸之)とは、お互いアクションレッスンを受けながら、何度も殴り合いの練習をしていました。

鈴木さんの不良役、かなり気合いが入っていて怖いぐらいでした。

でも、普段の伸くんはすごくマイルドな人。 というかこの映画の役者陣は基本的にみんな優しいし、柔らかい雰囲気の人ばかり。 それでも演技では、あんなに極悪な雰囲気が出せるから本当にすごいと思います。

役者魂ですよね。北村さん自身は、自分が殴られてもいいほどの仲間はいますか?

殴られるのは嫌ですが(笑)、仲間はたくさんいます。 DISH//のメンバーはもちろんですし、この映画で共演している、いっそん(磯村勇斗)、遥ちゃん(杉野遥亮)、(吉沢)亮くん、(清水)尋也は付き合いが長いし、伸くんや藤堂日向はプライベートでもよく遊ぶ仲間。 地元には中学生のときからの親友もいます。 それぞれ仕事が忙しくて、頻繁に会えるわけではないけれど、ツラいことがあって、立ち止まってしまったときに救ってくれるのは仲間だと思うので。 僕自身、何度も仲間には助けられてきたので、本当に大切な人たちです。

70~90’sのファッションが好きで古着屋巡りが趣味

映画では金髪リーゼントヘアでしたが、ヘアスタイルのこだわりはありますか?

ヘアスタイルは役柄によってしか変えないので、強いこだわりはないんですけれど、切るときに必ずお願いするのは「セットしなくてもいいスタイル」。 学生時代から、自分でヘアセットするのがすごく苦手で。 だから「朝起きてそのまま出かけられるようなヘアスタイルにしてください!」とお願いしています。セットせずにシンプルだけどいい感じ、みたいな。

かなり高度なスタイルオーダーですね。これまでどんなスタイルにしていたのか気になります。

高校生のときは前髪ぱっつんの刈り上げでした。 少し前にドラマで前髪ぱっつんの役を演じたのですが、それよりもずっと前に経験済みです。

ヘアセットはいらなさそうですが、高校生にしてはなかなか攻めたスタイルですね(笑)。

校則の規定をすべてクリアしているスタイルでもあったんですよ。 前髪は眉上と決まっていたんですけど、周りの友達は眉上に見えるようセットでごまかしていましたけど、僕は問題なくクリア。 先生から「みんな、北村を見習え」と言われるぐらい(笑)。

模範ヘアスタイルだったとは!ファッションのお話も聞きたいのですが、今日の私服もとてもカワイイですよね。

今日はカート・コバーンをイメージしたグランジ風スタイルです。 今回のポイントはベルトで、オーダーで作ってもらいました。 70~90年代のファッションが特に好きなので、古着屋やヴィンテージショップで買い物をしていますね。

最近、買ったお気に入りアイテムがあれば教えてください!

この間、古着屋でオールインワンを2着買いました。 ひとつは色あせたネイビーカラーがかっこいいビッグシルエットのもので、もうひとつは山吹色の少しタイトなシルエットのもの。 オールインワンはこれひとつでファッションが成立するので楽ですよね。

オールインワンが似合いそう。夏はどんなファッションをすること多いですか?

夏は重ね着ができないのでシンプルになりがちですが、定番で好きなスタイルは白のTシャツにデニム。 インディアンジュエリーと70’sの時計でアクセントをつけるのが多いです。 シンプルなものにプラスアルファ、みたいなファッションが好きですね。

プロフィール

1997年11月3日生まれ、東京都出身。2011年ダンスロックバンド「DISH//」を結成。メインボーカルとギターを担当。2017年、映画『君の膵臓をたべたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。近作に映画『さくら』『アンダードッグ』、ドラマ『ナイト・ドクター』など。待機作品として『とんび』『明け方の若者たち』がある。

お知らせ

©和久井健/講談社 ©2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会  配給:ワーナー・ブラザース映画

全国公開中の映画『東京リベンジャーズ』で主人公のタケミチを熱演。負け犬フリーターのタケミチが元恋人、ヒナタ(今田美桜)が殺されたことをきっかけに高校時代にタイムリープ。最悪の過去の中でヒナタを助けるため、人生をリベンジするために闘いを挑む。超人気コミックの待望の実写化。

シャツ 37840円、パンツ 65560円(ナヌーシュカ/ヒラオインク TEL/03-5771-8809)  ハット 28600円(カミンスキー/ヘレンカミンスキー ギンザシックス店 TEL/03-6264-5573)
構成/菅野美咲(本誌) 取材・文/中屋麻依子 撮影/横浪修(横浪写真事務所) スタイリング/Shinya Tokita ヘアメイク/カスヤユウスケ(ADDICT_CASE)