今回教えてくれたのは……「P-cott(ピコット)」スタイリスト&スパリスト・谷口 結奈さん

谷口結奈(たにぐち・ゆな)さん
渋谷の隠れ家サロン「P-cott」にてスタイリスト・スパリストを務める。レディースのみならずメンズへの施術も得意としており、幅広い層に合わせたスタイルの提案を行っている。Instagram【@pcott_taniguchi】 https://beauty.hotpepper.jp/slnH000290503/stylist/T000364501/

ストレートパーマとは。そのメリットデメリット

ストレートパーマとは、薬剤の力のみで髪をストレートにしたり、パーマをのばしたりする施術のこと。

2種類の薬剤を使い髪のタンパク質結合を一時的に切断。
まっすぐな状態に整えたうえで再び結合させることで、髪を柔らかく自然なストレートヘアに導く仕組みです。
ストレートパーマのメリットは、自然なストレートヘアが手に入ること。
もともとかけていたパーマを落とす目的も多いのですが、軽いくせ毛の補正やボリュームダウンなどの効果も期待できるメニューです。

さらに、熱を加えず薬剤のみで髪をストレートに矯正する施術のため、髪へのダメージが比較的少ないのもメリット。
ぺたんこになりすぎず、程良いボリューム感を残し、ナチュラルで柔らかい質感に仕上がります。
一方、ストレートパーマの強いくせ毛をまっすぐにするのは難しいというデメリットがあります。
持ちは1〜3ヶ月程度な場合が多く、持続期間がやや短い点も。
完全なストレートヘアや広がりの抑制を求める方には、やや物足りないかもしれません。

縮毛矯正など、髪をまっすぐにする他メニューとの違いは?

ストレートパーマ以外にも、髪をまっすぐに整えるメニューは複数あります。
どれがいいのか検討している方のために、ここではそれぞれの施術とストレートパーマとの違いを紹介していきます。
まず、髪の毛をまっすぐにするメニューとして代表的な、縮毛矯正との違いについて、谷口さんに伺いました。

谷口さん「ストレートパーマは、本来パーマがかかった髪をまっすぐに戻すもの。 軽いくせ毛をなおすのに適しています。 一方の縮毛矯正は、くせ毛の矯正を目的にしています。 そのため、施術の途中でアイロンをかける工程があります。 つまり、直したい度合いによって施術工程が変わるんです。」

ストレートパーマと縮毛矯正の大きな違いは、熱処理の有無です。

ストレートパーマは薬剤の力のみで髪をストレートにしますが、縮毛矯正は薬剤に加えてヘアアイロンで熱処理を行うことで、髪の結合を強力に固定します。
これにより強いくせ毛をしっかりと伸ばすことができ、半永久的なストレート効果と高いツヤ感を得ることができるんです。

ただし縮毛矯正は、薬剤と熱双方のダメージが加わるためストレートパーマよりも髪への負担が大きくなります。
そのため、基本的にはブリーチ毛やダメージ毛に施術するのには適していません。

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縮毛矯正の次に似ている施術として挙げられるのが、酸性ストレート
これは従来のアルカリ性の薬剤ではなく、髪に近い弱酸性の薬剤を使用する施術。
よりダメージを抑えながら、髪をストレートに整えてくれます。
ダメージを抑えてくれるという観点から、ブリーチ毛や細くてダメージを受けやすい髪に向いており、自然な柔らかさやツヤを引き出しやすい点が特徴です。

ただし、酸性ストレートは施術難易度が高く、美容師の技術や薬剤選定が仕上がりに大きく影響します。
施術経験が豊富なサロンでの施術を選ぶと安心でしょう。

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さらに、ストレートパーマと似た施術として、近年注目を集めている髪質改善トリートメント。
髪のまとまりを良くするという点では目的が似ていますが、アプローチ方法や効果の持続性が異なります。

ストレートパーマはその名の通りパーマの一種であり、「髪の形状を変化させる方法で髪をストレートに矯正する」施術です。
一方の髪質改善トリートメントは、トリートメント成分によって「髪内部のダメージを補修し、髪質を本来の健康的な状態に近づける」施術。
一般的には、ストレートパーマよりもくせを伸ばす力は弱い傾向がありますが、継続することで髪質そのものを扱いやすくし、ツヤや手触りを改善する効果が期待できます。

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結論。ストレートパーマが向いている人は?

まとめると、ストレートパーマは以下のような人に向いています。

・軽いくせやボリュームを落ち着かせたい人
・パーマを落としてストレートに戻したい人
・自然で柔らかいストレートヘアにしたい人
 (適度にボリュームを残したい人)
・髪へのダメージを最小限に抑えてストレートに近づけたい人


また、髪のまとまりが良くなることが期待できるため、朝のスタイリングを楽にしたい方にもおすすめです。

反対に、ストレートパーマを避けた方がいい人とは

前述したように、ストレートパーマは強いくせ毛を完全にまっすぐにすることは得意ではありません。
そのため、強いくせ毛に悩んでいる方は縮毛矯正を検討してみるのがおすすめです。

また、熱によるダメージはないものの、薬剤(パーマ液)を使用するため、一定は髪に負担がかかる施術です。
そのため、髪のダメージ状態やブリーチなどの施術歴によってはストレートパーマが適さない場合も。
薬剤の強さや種類によっては施術可能な場合もあるため、美容師に相談してみると良いでしょう。

ストレートパーマメニューにかかる料金

ストレートパーマの値段は、地域やサロン、施術範囲によっても異なります。
一般的には8,000~15,000円程度が相場ですが、サロンの立地などによっては4,000〜8,000円程度の場合も。
縮毛矯正は15,000〜25,000円程度が相場なので、縮毛矯正よりはリーズナブルな傾向があります。

さらに、カットやトリートメントを掛け合わせたメニューで、お得に施術ができる場合も。
ただし、髪の長さによってはロング料金を取っているサロンも多く、ストレートパーマの薬剤の質によっても料金が変動する場合があります。
予約する前にメニューの詳細や注意事項などをしっかりと確認するようにしましょう。

ストレートパーマの施術の流れと所要時間

髪の長さや量、サロンによっても異なりますが、ストレートパーマにかかる時間はおおよそ1時間半〜2時間半程度が目安。
縮毛矯正は3〜4時間程度かかる場合が多いため、比較的短い時間で済みます。

一般的な施術の流れは、次の通りです。

①カウンセリング
髪の状態を見てもらい、希望の仕上がりを伝えます。
②シャンプー
薬剤の浸透を良くするため、髪の汚れや余分な油分を落とします。
③1剤塗布、洗い流し
髪の結合を柔らかくする薬剤を塗布し、一定時間放置。その後洗い流します。
④2剤塗布
髪の結合を再結合させる薬剤を塗布し、再度一定時間放置します。
⑤シャンプー・トリートメント
薬剤を洗い流し、必要に応じてトリートメントでケアします。
⑥ドライ・ブロー
髪を乾かし、スタイルを整えて完成です。

カットを含む場合は、最初のシャンプー前または最後のドライ後に行うことが多く、追加で30分〜1時間ほどかかることを見込んでおくと良いでしょう。

部分的にストレートパーマをかけることはできる?

ストレートパーマは、部分的にかけることも可能です。
前髪や顔周りなど、気になる部分だけに施術することで、髪への負担を抑えながら効果的なアプローチができます。

料金も部分的な場合は3,000〜8,000円程度が目安です。

ストレートパーマと他のメニューの両立はできる?

ストレートパーマは、カットやトリートメントなどのメニューを併せて施術することが可能です。
特に、トリートメントはパーマによって多少なりとも負担がかかった髪のダメージを補正してくれるため、併せて施術するのがおすすめ
カラーについては、髪への負担を考慮すると基本的に同じ日に施術するのは避けるのがベター。
ストレートパーマをかけた後、1〜2週間ほど期間を空けてからカラーリングすることをおすすめします。

同時施術はもちろん、過去にブリーチや縮毛矯正をかけた髪にストレートパーマを施すのは避けるのが無難。
髪にダメージがかかる施術を掛け合わせると、最悪の場合、髪がちりちりになったり、ちぎれてしまったりすることがあります。

自然な仕上がりにするために。ストレートパーマオーダーのポイント

理想の仕上がりを実現するためには、まず担当の美容師にしっかりと相談することが大切です。
具体的には、髪の悩みやくせの度合い、これまでのヘアメニュー履歴などを伝えるのがベター。
前述したように、特にブリーチ歴や縮毛矯正歴などは忘れずにしっかりと伝えるようにしましょう。

また、「自然で柔らかい質感にしたい」「ツヤが出やすいメニューにしたい」など、理想の仕上がりイメージをしっかりと伝えるのも大切。
イメージカタログを保存しておき、すぐに見せられるようにすると◎
またストレートパーマや縮毛矯正に特化したサロンを選ぶのもおすすめ。

看板メニューとしているサロンであれば、薬剤や工程の選択肢が増え、より理想に近づきやすくなります。
特に、初めての場合は自分に合った薬剤やメニューが分からない状態が多いため、ストレートパーマが得意なサロンで施術してもらうのが安心でしょう。

ストレートパーマはどれくらいもつ?かけ直しのタイミングと頻度

ストレートパーマの持ちは3〜4ヶ月が目安。
根元から新しい髪が伸び、元のくせやうねりが目立つようになったら、掛け直しのタイミングです。

髪の長さによっても異なりますが、ショートヘアなど髪が短いほどくせが目立ちやすく、長くても4ヶ月ほどでメンテナンスが必要に。
反対に、ロングヘアの場合は重みによりくせが落ち着きやすい傾向があり、6ヶ月ほど持つ場合もあります。

掛け直しを行いすぎると髪へのダメージが蓄積されてしまうため、基本的には一度パーマをあてた部分は掛け直しを避けるのが無難
根元を中心に気になる箇所までリタッチを行うのが推奨されます。

ストレートパーマをかけた後の過ごし方とお手入れ方法

施術当日はシャンプーを控えるようにしましょう。
薬剤を定着させる目的に加え、水に濡れたダメージを受けやすい状態を避ける目的もあります。

さらに、施術したての髪は薬剤が定着しきっていない状態なので、髪を縛ったりピンで留めたりするのも出来る限り避けるのがベターです。
ストレートパーマをした髪はダメージを受けやすい状態。特に施術後数日間はよりダメージに繊細なので注意が必要です。
そのため、強くブラッシングしたり、シャンプーの際に強く洗ったりはしないようにしましょう。

そして施術後に限らず、ダメージを回避するためにも髪は早めに乾かすことが大切
シャンプー後の髪の毛をしっかり守るために、トリートメントやヘアオイルなどで保護するのもおすすめです。

以下の記事ではシャンプーやオイルの選び方、髪の毛を綺麗に保つコツなどを詳しくご紹介しています。
ストレートパーマを長持ちさせるためにもぜひチェックしてみてください!

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【レングス別】ストレートパーマで叶える素敵なスタイル

ここからは、おすすめのストレートパーマスタイルをレングス別にご紹介していきます。
理想に近いカタログを見つけたら、ぜひ保存しておいてくださいね!

ショート

くせ毛さんでもクールなハンサムショートが手に入る
クールで大人な雰囲気を演出できるハンサムショート。 センターパートのストレートなタッチが特徴のスタイルですが、ストレートパーマを取り入れることでくせ毛さんでも挑戦しやすくなります。 まとまりの良いすっきりとしたシルエット、程良いエアリー感のどちらもストレートパーマで叶いやすくなりますよ。
まとまりが良く、自然な質感のミニボブ
ストレートタッチのコンパクトなミニボブ。 まとまりの良さが魅力のボブヘアも、ストレートパーマで挑戦しやすくなります。 ストンとなりやすい縮毛矯正と比べ、毛先が自然な質感に仕上がりやすいのも嬉しいポイントです。

ボブ

乾かすだけでまとまるシンプルボブ
手ぐしでもまとまりやすい柔らかな質感のシンプルボブ。 ストレートパーマを施すことで、カットラインに柔らかさを残しつつも抜群のまとまりを叶えます。 「くせ毛のせいでボブに挑戦しづらかった」という方にはぜひ挑戦して欲しいスタイル。
長めボブの肩ハネも抑制◎
肩につくくらいの長めのボブも、ストレートパーマでハネを防止しやすくなります。 自然な柔らかさが残るため、毛先のエアリー感はそのままに、ボリューム感を抑えてくれるのが嬉しいポイント◎ ナチュラルなツヤも出て、上品で大人っぽい印象に仕上げてくれます。

ミディアム

切りっぱなしミディのカットラインが綺麗に
鎖骨くらいの長さでぷつっと切り揃えたロングボブ。 表面のボリューム感が抑えられることで、ぷつっとしたカットラインのおしゃれさが際立ちます。 サッとアイロンを通して毛先を外ハネにするだけなので、毎日のスタイリングが楽ちんなのも嬉しいポイントです!
束感スタイリングで抜け感抜群に
クセが出やすい顔周りや後ろの髪にストレートパーマを施したスタイル。 ストレートに整えた前髪を束感を出すようにスタイリングすることで、シンプルなスタイルでも抜け感抜群に。 強いストレートになる縮毛矯正に比べ、柔らかいスタイリングがキープしやすいのが嬉しいポイントです。

ロング

ストレートパーマ × 毛先デジタルパーマで整え不要に
さらツヤ感が大切なロングヘアは、ストレートパーマとの相性抜群。 梅雨などの広がりやすい時期も、すっきりと綺麗にまとまりやすくなります。 毛先にだけワンカールのデジタルパーマをプラスすれば、毎日のアイロンも不要に!
ラフな質感で大人な色っぽさを演出
ニュアンシーで色っぽい雰囲気漂うセンターパートのロングヘア。 ナチュラルな質感が得意なストレートパーマは、大人の色気を出すのにもぴったり。 垢抜けやイメチェンを狙いたい方におすすめのスタイルです。

ストレートパーマで理想の美髪を手に入れよう♡

ナチュラルで柔らかな質感が魅力のストレートパーマ。
軽いくせ毛や広がりを抑えたい方やパーマを戻したい方は、要チェックのメニューです。

自分に合った薬剤やメニュー、施術方法を見つけるには、サロン選びが重要に。
ストレートパーマが得意なサロンを予約し、理想のサラサラストレートを手に入れてくださいね!

▼くせ毛や広がりへのアプローチはこちらの記事でも解説!

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