あなたはどのタイプ?頭痛の種類を知っておこう

一般的な頭痛には、大きく分けて3つのタイプがあります。あなたの頭痛はどのタイプでしょうか? チェックリストで確認してみましょう。

タイプ1 「片頭痛」

□ 心臓の動きに合わせたようにズキンズキンと痛む □ 痛みが数時間から数日間続く □ 週末に痛みが生じやすい □ 仕事や家事をするのが難しい □ 頭を動かすと痛みが増す □ 吐き気を伴うことがある □ 光、音、臭いに敏感になる ⇒当てはまるものが多い場合、片頭痛の可能性があります! 片頭痛は、脳の血管が急激に広がることで生じます。脳血管が拡張して周囲の神経を刺激し、炎症物質が分泌されます。この物質がさらに血管を広げ、ズキンズキンという強い痛みが出るのです。「片」頭痛という名称から誤解されがちですが、頭の片側だけでなく両側が痛むこともあります。また、ストレスが強いときは緊張のせいで血管が収縮しているのですが、ストレスから解放されると緊張が抜けて血管が広がります。そのため、平日にハードワークをしている人が週末に頭痛で悩まされるというケースも少なくありません。

タイプ2 「筋緊張性頭痛」

□ 頭全体がギューッと締め付けられるように痛む □ 午後から夕方にかけて痛むことが多い □ なんとか仕事や家事はできる □ 肩や首の凝りが気になる □ 首周りを温めたり、凝りをほぐしたりすると楽になる ⇒当てはまるものが多い場合、筋緊張性頭痛の可能性があります! 筋緊張性頭痛は、文字通り筋肉が緊張することで生じるものです。筋肉が緊張して血流が悪くなると、疲労物質がたまることで周囲の神経が刺激されます。そのため、1日の始まりである朝や午前中よりも、体が疲れてくる午後から夕方に発生しがちな頭痛です。PC作業をずっと同じ姿勢で行っている、枕の高さが合っていない、体が冷えているなど、首から肩、背中にかけて負担がかかることで起こりやすくなります。

タイプ3 「群発頭痛」

□ 目の奥がえぐられるように痛む □ 季節の変わり目やお酒を飲んだ日に痛みが起こる □ 明け方に痛みを感じ、目が覚める □ いったん頭痛が起こると月単位でしばらく続く □ 痛くて動かずにはいられない □ 目が充血したり涙が出たりすることがある ⇒当てはまるものが多い場合、群発頭痛の可能性があります! 群発頭痛は、群発地震のように一定期間に集中して起こることから名付けられました。いったん頭痛が起こると月単位で痛みが続きます。アルコール摂取が頭痛の引き金になりやすいことが特徴で、女性よりも男性に多いとされています。 これら3タイプの頭痛以外にも、急激な激しい痛み、頭が割れそうな痛みといった症状があれば、くも膜下出血や脳出血などで直ちに治療を要することがあります。「いつもと違う気がする」と思ったら、早めに医療機関の受診をお勧めします。

どうすれば痛みが和らぐ?タイプ別の対処法Q&A

片頭痛の場合は…… ポイント=急激に血管が広がらないよう対処する。 Q.患部は温める? それとも冷やす? A.冷やして血管を収縮させる。 冷水で濡らして絞ったタオルや保冷剤を包んだタオルなどを、痛む部位に当ててください。冷たい刺激で血管が収縮し、痛みが和らぎます。温めると血管が広がり、痛みが増してしまいます。なお、急な温度変化が悪化を招くケースもあるため、様子を見ながら行いましょう。 Q.休むとしたら暗い場所? それとも明るい場所? A.静かな暗い場所で休む。 光や音に敏感になっている状態のため、それらを避けた場所を選びます。また、動くと痛みが増すので、横になって静かに休むようにしましょう。 Q.薬を飲むのは痛みが出たらすぐ? それとも痛みがピークのとき? A.痛みが出たらすぐ。 痛みが出てきたなと感じたら、まだ症状が軽いうちに薬を飲みましょう。頭痛がひどくなってきてから飲んでも、十分な効果を期待できません。また、片頭痛に市販薬で対応するのは難しいため、医療機関を受診して医療用医薬品を処方してもらいましょう。

筋緊張性頭痛の場合は…… ポイント=筋肉の緊張をほぐす。 Q.患部は温める? それとも冷やす? A.温めて血管を拡張させる。 温めることで血行が良くなり、筋肉の緊張が和らぎます。タオルを水で濡らしてよく絞り、電子レンジで温めると、簡単にホットタオルを作ることができます。首の根元から肩の部分に当て、しばらくリラックスする時間を取りましょう。 Q.痛むときはのんびりリラックス? それとも体を動かしてリフレッシュ? A.好きな方法で心身の緊張をほぐす。 心身の緊張をほぐすため、気分転換を図りましょう。好きなものを食べたり、好きな音楽を聴いたり、ストレッチで体をほぐしたり……あなたの好きな方法でかまいません。ロールオンタイプのアロマオイルは、左右のこめかみに塗ることで香りの成分が皮膚から吸収され、筋緊張の緩和効果も期待できます。

群発頭痛の場合は…… ポイント=頭痛を引き起こす要因を避ける。 Q.飲酒は時々ならOK? それとも一切控える? A.痛みが生じやすい期間は控える。 群発頭痛では、痛みが繰り返し生じる数週間~数か月間の期間(群発期間)があり、この間はアルコール摂取を控える必要があります。それ以外のときは、節度を守りつつお酒を楽しむこともできるでしょう。医師に相談して、その指導に従ってください。 Q.薬を飲むのは朝起きてから? それとも寝る前? A.痛みが起こる前(就眠前)に予防的服用を。 群発頭痛は、毎日ほぼ同じ時間に痛みが起こることが特徴の一つ。特に明け方に痛むケースが多いため、寝る前に予防的に薬を飲むことが効果的です。

「頭痛外来」で専門家に相談してみる?

日本では国民の4人に1人が頭痛に悩まされているとも言われ、頭痛に特化した頭痛専門外来を訪れる人も少なくありません。いくつか対処法を試してみても頭痛が改善されなければ、専門家に相談してみることも一案です。受診するときは、どのように悩んでいるか具体的に説明することが重要ですから、頭痛の頻度やタイミング、強さなどをメモして持参するといいでしょう。「私は頭痛持ちだからしょうがない」とあきらめず、前向きに対応できるといいですね!

執筆・監修:ナレッジリング/主に医療・介護に関するテーマを守備範囲とするライター・編集者グループです。https://www.knowledge-ring.jp/