教えてくれたのは…イシハラクリニック 副院長・石原新菜 先生
- 帝京大学医学部卒業後、同大学病院の研修医を経て父・石原結實のクリニックで副院長に。 漢方医学を主眼に診療。 『「体を温める漢方」で不調を治す』(PHP 文庫)他、著書も多数。
首こりの原因やメカニズムとは?
重い頭を支える首の血流悪化がこりの原因!
そもそも首こりの原因は? 「頭は6~8kgもの重さがあり、それを細い首から上半身全体で支えています。しかし、スマホ視聴やデスクワークで前かがみの姿勢を続けると、頭の重心がずれて首後ろだけに重みがかかり、負担が倍増します。そのため首の筋肉が緊張することに。 また首は筋肉量が少なく血流が少ない上、露出され冷えることでより血流が悪くなりがち。目の疲れやストレス、運動不足でも血流が悪化。それらの原因が重なって緊張した首の筋肉に溜まった疲労物質が流されず滞り、こり固まってしまうのです」(石原新菜先生・以下同)
首内側の神経と血管を圧迫することで不調に
筋肉が不快なだけの肩こりと違い、首こりにはさらに問題が。 「首のこりは、首の内側で背骨に沿って走る神経の束と血管を圧迫し、全身に張り巡らされた自律神経への伝達を阻害します。血液に含まれた、神経への栄養も届きづらくなります。自律神経は体温、内臓など全身を司っているので、働きが乱れることでめまい、胃腸の不快感、頭痛、不眠、冷えなどの不調につながる恐れが」
首の保温と血流アップで「温活」して体調改善へ
そんな首こりからの全身不調には首をしっかり冷えから守る首温活がオススメ、と石原先生。 「首を温めることでこり固まった筋肉がじんわりほぐれます。それにより神経と血管への圧迫が改善されるので、神経の伝達も血流もスムーズに」 セルフでのストレッチやリンパドレナージュなどのサロン施術も温活の一種。 物理的にこりをほぐしながら血流を促すことで首から全身を温め、温かな血液を全身に巡らせます。 「首には太い血管があるので、張りをやさしくゆるめれば血流を促すことでぽかぽかして、温かな血液が全身に巡ります。冷えやだるさなど、不調感の改善につながりますよ」
あなたの「首こり」度をチェック!
首こり生活習慣チェック
毎日繰り返す生活習慣は、首こりの要因に。 下の項目に3つ以上チェックがつく生活をしている人は、首こりの危険度が高めです。
【チェックリスト】
□ パソコンやスマホ使用が1日6時間以上 □ 仕事や食事の際、気づくと猫背になっている □ 首周りの開いた服を着ることが多い □ 全身の冷えを感じることが多い □ 長時間同じ姿勢でいることが多い □ 湯船に浸かる入浴はあまりしない □ 運動不足になりがち
首こり状態チェック
- 手順①
- 壁に背中から肩をぴったりつけて立ち、顔は正面を向きます。 片手を正面に伸ばすと壁から90度になるので、そこから壁まで3分の2 水平に動かし、30度くらいで固定します。
- 手順②
- 伸ばした腕の指先へ顔を向けるよう、無理のないよう首を回します。 肩は壁につけたまま首だけを動かして。鼻先を腕のある30度まで回せなければ首こりの恐れが。 逆側も同様に。
首温活のアイデア
筋肉のこりに加えて、うっかり冷えて固まりやすい秋冬の首元。 いろいろな形でこまめに首温活を。その方法をご紹介します!
アイデア1 :温めグッズを活用!
これからの季節、作業に集中していて気づくと首周りが冷えていた……ということも。 油断冷えしないよう仕事中に首につけておけば、心地よい状態をキープできるはず。
- 温熱用具 直貼®
- 約40℃の温熱効果にジンジン®刺激感をプラスし、2つの発熱スポットで広範囲に温熱を拡散。 血行を促しこりをほぐします。
- 桐灰あずきのチカラ
- レンジで温めることであずきの天然蒸気が首肩をじんわりと心地よく保温。 ほどよい重さが体にフィット。繰り返し使えます。
- MYTREX EMS HEAT NECK
- 3段階の温熱ヒート機能と独自EMS テクノロジーによる深く広く心地よい刺激で、首にアプローチ。 つけ心地も魅力。
アイデア2 :湯船に浸かる習慣を
- シャワーは肌の表面しか温めないので、内側からじんわり温まる湯船での入浴は必須。 体調が悪い人以外は、半身浴より首までしっかりお湯に浸かる方が水圧と温め効果の両方で首コリがゆるみます。 お湯は40℃程度で、肌寒いなら温度を上げて。 炭酸ガス入りの入浴剤などを入れると、より血流促進に期待が。
アイデア3:首ストレッチで滞りを防ぐ
首の筋肉がこり固まって血流が悪くなると冷えてしまうので、ストレッチでしなやかな筋肉をキープするのも温活に。 デスクワークの合間などに1日数回行うようにしましょう。
後頭下筋群のあるうなじ付近を伸縮
- 手順①
- 背筋を伸ばしてイスに座ります。 両手の指をうなじより上部、首中央から左右1cmくらいに置き、指先でやさしく前方へ圧をかけます。
- 手順②
- そのまま顔を無理のないところまで上に向け、正面に戻すまでを5回。 呼吸は止めず、うなじ付近が伸縮していることを意識して。
ほとんど使わない首横の筋肉を伸ばす
- 手順①
- 真っ直ぐイスに座ったら右手を背中に回して逆サイドの背もたれをつかみ、体をホールド。 左手は指先が耳上に来るよう頭の上へ。
- 手順②
- 右肩は上げず、左手をゆっくり真横へ引くように頭を左側に傾けます。 首右横の伸びを意識して20 ~30 秒キープ。 逆側も同様に。
可動域が狭まりがちな首前を伸ばす
- 手順①
- 両手の指を組んで開き、親指は鎖骨にかかる位置に置いておさえます。 背筋は伸ばし、肩が上がらないよう腕の力を抜きます。
- 手順②
- 親指で鎖骨をおさえながら顔を上に向けてあごを突き出し、首の前側が伸びているのを意識します。 息を吐き20~30 秒キープ。
アイデア4:リンパドレナージュで血流を促す
リンパや血流に沿って適度な圧をかけ、こりをほぐしながら滞りを押し流すリンパドレナージュ。 クリームなどで肌に負担がかからないよう滑らせ、リンパ節に不要物を流します。 血流が促されることで全身がぽかぽかに。
リンパドレナージュのやり方
手順①:まずはうつぶせになって首後ろをほぐします。うなじから肩の間を何度もさすり、こわばりを柔らかく。
手順②:背中側を足までほぐしたら、あおむけになって足の甲をほぐします。重力で滞りやすい足先をほぐすと、全身に温かな血液が回りやすく。
手順③:顔を横向きにして首横をほぐします。肩から耳下にかけてを何度も往復。
手順④:最後に鎖骨と鎖骨の間の胸管に不要物を流します。
詳しい内容は、HOT PEPPER、HOT PEPPER Beauty詳しい内容は、HOT PEPPER、HOT PEPPER Beauty2021年10月号【2021年9月24日(金)発行号】にてご覧ください♪にてご覧ください♪
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